プロカウンセラーの聞く技術

プロカウンセラーの聞く技術

人の話を聞くための心構えのtips集。大きく分けると、「聞き手に徹する」ことと「話し手にならない」ことについて。

人との良い距離感の取り方について、うまく書かれている。「聞き手に徹する」ために、相手に興味を持つこと、相手の気持ちを考えることをあげ、「話し手にならない」ために、相手のことはわからない、聞き出そうとはしないことをあげている。

結婚式のスピーチでも、話すほうは緊張して必死で話をしていても、聞くほうは料理と飲み物と隣の人との話に夢中で、聞いていないことも多いのです。それでも、よほどの場合でないと、そのような聞き手の態度が結婚式を台なしにすることはありません。
(略)
だから、このような日常的な聞き方に慣れていますと、聞くことが相手との関係を破壊してしまうような場合でも聞く技術の獲得が行われていないので、相手とのコミュニケーションに失敗してしまいます。

P214 あとがき

日常では、聞く技術が重要になる場面は少ないのかもしれない。だからこそ「聞く技術」のバランスの難しさと重要さがあるということを、上手に説明している本だと思う。