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2011年のまとめ - 電子書籍

うまくまとまらずに困っていたら今年もあと10日くらいしか無くなってしまったのでもやもやしながらも書いていくことにします。まずは、電子書籍の話から。

2011年は電子書籍

去年に電子書籍元年と言われていましたが、今年を振り返るとあれは一過性ブームだったんだなって思えてきます。

  • 電子書籍のハードウェア市場の勝者はAppleとAmazon。
    • ハードウェアごと囲い込もうとしたガラパゴスは早々に撤退。タブレット型PCもiPad以外苦戦
  • サービスレベルでは、AppleとAmazonにコンテンツ提供をしないで国内出版社が抗戦中。
    • 各社が囲い込みたい欲求にかられ独自のマーケットサービスを乱立しはじめる
  • 結局わかりやすい勝者がいない状況

今の流れを見ていると、僕が昔からほしがっている電子書籍市場とは違っていて残念でなりません。
僕は欲しい電子書籍があったら、それをクレジットカードなどで購入して、epubやpdfでダウンロード出来れば満足です。ところが出版業界(特に大手)が権利だコピーだといってサービスアカウントと紐づけて、サービス側が定めた方法でのみ閲覧を許可する仕組みを望んでいるようです。需要と供給のミスマッチを感じます。

そんな中でも、電子書籍に特化したサービスもきちんとあります。O'ReillyのEbookなんてまさに理想的な電子書籍のストアですし、 達人出版会 では、 エキスパートObjective-Cプログラミング ― iOS/OS Xのメモリ管理とマルチスレッド - 達人出版会 *1 が先に電子書籍が公開、その後に書籍が発売されていたり、かなり頑張っているので、こういった流れが来年も増えていくことを期待しています。

ソーシャルリーディング

じぶんも小さくPookという書籍系サービスをやっていますが、僕が今年一番気に入ったソーシャルリーディングサービスはLindoc - つながる読書プラットフォーム です。学習に特化することで、学校という利用シーンや場所が想像出来るのは素晴らしいです。

ただ今年たくさん出てくるソーシャルリーディングサービスを見ていて、やっぱりこのジャンルは厳しいと感じるようになりました。理由はひとつで「多量の読書をする人とネットで積極的にコミュニケーションをするユーザーが重なっていない」からです。

ネットを利用していないユーザーのうち休日の過ごし方で図書館を利用するはかなり高い位置にあるそうです(ソース忘れた)。そういったネットを利用しない層を獲得できる設計をしないと、マンガが中心にないソーシャルリーディングサービスを成功させるのは難しいと思います。非ネットユーザーが、ちまちま自分の購入した本や読みたい本をlikeしたり、コメントで言い合ったりはしないです。そんな非ネットユーザーに向かって頑張っているのがカーリル なんでしょう。

非破壊自炊

今年は、権利者による実質自炊代行業者つぶしみたいなものもありました*2 が、2012年は、非破壊自炊*3が流行り始めると思います。

これは写真を一枚一枚撮影して、誰かがまとめてネットにアップするというような、わかりやすい海賊版のような話ではなく、スマートフォンの浸透と、その性能の進化によって、読み手が後で見返したいところを写真で撮って後で見返したり、近くの友だちに見せるようなものです。簡易スキャンと言えばいいんでしょうか。書籍全ページ写真で撮るわけないと思われるかもしれませんが、週刊漫画雑誌で作品ひとつなら20ページ程度で済みます。10分くらいで出来るんじゃないでしょうか。スマートフォンが今年一気に浸透したので、あとはちょっとした仕組みを誰かが作れば、一気に流れると思います。

まとめ

来年も、出版側が自分の都合の良いやり方を模索している間に、2010〜2011年にあったような自炊代行業みたいな抜け道が出てくるんじゃないでしょうか。ただ、もしそういうものが出てきたとしても、権利者は相変わらずそういった流れを排除するのでしょう。そうやって丸くなって、出版の救世主と呼ぶには難しい電子書籍市場が出来ていくのではないのでしょうか。誰を向いて商売をしているかが試されているんだと思います。

次は、モバイルアプリの話。

*1:この本がまた素晴らしくてこれからObjective-Cで開発する人は必ず一度は見ておくべき本です

*2:[http://bit.ly/s7oNcO:title]

*3:[http://gigazine.net/news/20111122_book_saver/:title]