ただふれたものについて書くブログ

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経験をステータスにしてはいけない

今週はScrum Alliance Regional Gathering Tokyo 2013行ったり、イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」を読んだり、色々と成果を形にする方法のようなインプットが多い一週間でした。

結局のところ、食べたことのないものの味はいくら本を読み、映像を見てもわからない。自転車に乗ったことのない人に乗ったときの感覚はわからない。恋をしたことのない人に恋する気持ちはわからない。イシューの探求もこれと同じだ。 「イシューからはじめよ」(P239)

すごくわかる。


Scrum Alliance Regional Gathering Tokyo 2013でも野中郁次郎氏は、組織のリーダー像のひとつとして、修羅場的経験を上げていた。経験、とくに失敗こそが、今置かれている状況で最適な大きさの解を出すために必要な要素のひとつだということだ。


とは言っても、自分や周りを振り返ると、経験をそのままステータスにすることが多くなってしまう。これはやっぱり良くないことだ。「アジャイル開発を取り入れました」とか「この本を読んで勉強しました」とか「自分は○○に旅行しました」とか。


こういう宣言は、経験をステータスにしているのであり、自分ブランディングの一貫に思える。本当に達成しなければいけないのは、その先で知識を得たならそれを活かすところまで考えなければいけないはずだ。もし仕事に関することならば、利益に対する成果を上げなければ意味がないように思える。


この話にオチは特にないけれど、インプットで語るな、アウトプットで語るようになりたいものです。



イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

エンジニアの評価ってなんぞや

エンジニアを頑張ったで評価する会社は衰退する | rake::enjoy!!

言いたいことはわかるけれど、直感ではそうは簡単にいかない感がある。

「技術スキルと会社が求めているものに差分がある場合がある」っていうのがあって、製品は『人•時間•金•品質』とか評価にも色々な要素があって、技術スキルがあればあるほど良いとは限らない場合がある。

それどころか技術スキルが極端に高い人が一人いると給与の問題とか、引継ぎコストが問題になる場合さえある。

つまりは時と場所によるが、ほとんどの場合、スキルの高さだけでは仕事の成果に直結しない。なので数値からはとても評価しづらい。

Aさん・・・要領がよくないがかなりの頑張り屋さんで責任感が強い。また口がうまい。

Bさん・・・要領がよく技術への知識欲求が強い。責任感は強いが頑張ってる感が表に出ず技術職以外と話すときは口下手。

エンジニアを頑張ったで評価する会社は衰退する | rake::enjoy!!


Aさんが評価されやすいのは、認識のしやすさや、頑張れば評価されるというのを組織に示す思惑とかあるけれど、会社の高評価はいずれポジションに繋がるわけで、そうした場合にたくさん会社に自分を投資している人が評価されるのは仕方が無い気がする。

っていうか、評価を気にして技術を学ぶなんてモチベーションの賭け方は悪手だと思うけどね。

飽きる娯楽

利用側から見ると、延々と終わりがない娯楽よりも、自分はきちんと飽きさせてくれる娯楽のほうが好みです。

ところが最近のゲームやらは、飽きさせない工夫がいっぱいされている娯楽が多くて、一度ハマったら数百時間も費やしたり、お金をいっぱいかけなければいけなかったりするものが多くて、そんなに時間やお金費やせないわー、と身を引いてしまうことが多いです。

読書だって夢中になって読み終えた小説の一番後ろに「この本を読んだ人は、他にこの本を読んでいます」と、デカデカと次に読むべき本を煽ってきたらせっかく余韻に浸りたいこちらからすれば興ざめすると思います。

作り手側が飽きさせないように様々な策を練るのは当然のことです。だけれども、区切りが無い娯楽は、どこか変な方向に行っちゃいそうなむず痒さを感じます。利用側と作り手側と何かが掛け違っている感じ。


以上、自分の時間管理術の課題を考えていたら、思い浮かんだ話でした。

インタフェースデザインの心理学

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

ちょっと前ですが一通り読みました。
入門書としては面白く、振り返りやすい本です。

目次

1章 人はどう見るのか
    001 目が受け取る情報と脳が私たちに伝える情報は微妙に違う
    002 対象の「あらまし」をつかむのは中心視野より周辺視野の役目
    003 人はパターン認識で物を識別する
    004 顔認識専門の脳領域がある
    005 物はやや上から斜めに見た形で思い浮かべる
    006 人は過去の経験と予想に基づいて画面を見る
    007 人は手がかりを探す
    008 人は視野の中の変化を見逃すことがある
    009 人は近くにあるものを同じグループだと思う
    010 赤と青を一緒に使うと目への刺激が強すぎる
    011 男性の9%、女性の0.5%が色覚異常
    012 文化によって色の意味が変わる

2章 人はどう読むのか
    013 大文字がもともと読みにくいものであるという説は誤りである
    014 読むことと理解することは同じではない
    015 パターン認識のおかげでフォントが異なっても同じ文字だと認識できる
    016 文字の大きさは理解度を左右する
    017 コンピュータの画面上のものは紙に書かれたものより読みにくい
    018 長い行のほうが速く読めるが一般には短い行のほうが好まれる


3章 人はどう記憶するのか
    019 ワーキングメモリの限界
    020 一度に覚えられるのは4つだけ
    021 情報を覚えておくには使うことが必要
    022 情報は思い出すより認識するほうが簡単
    023 記憶は知的資源を大量に消費する
    024 記憶は思い出すたびに再構築される
    025 忘れるのはよいこと
    026 鮮明な記憶でも間違っていることがある

4章 人はどう考えるのか
    027 情報は少ないほどきちんと処理される
    028 心的な処理には難しいものとやさしいものがある
    029 人は30%の時間はぼんやりしている
    030 自信がない人ほど自分の考えを主張する
    031 人はシステムを使うときメンタルモデルを作る
    032 人は概念モデルとやり取りをする
    033 人は物語を使って情報をうまく処理する
    034 人は例を使ってうまく学ぶ
    035 人は分類せずにはいられない
    036 時間は相対的である
    037 クリエイティブになるための4つの方法
    038 人は「フロー状態」に入る
    039 文化は考え方に影響する

5章 人はどう注目するのか
    040 注意力は選択的に働く
    041 情報は取捨選択される
    042 熟練の技は無意識に駆使できる
    043 ある事態に対する注意力は頻発が予想されるか否かで決まる
    044 注意力の持続時間は10分が限度である
    045 人は「顕著な手がかり」にしか注目しない
    046 マルチタスクは事実上不可能
    047 危険、食べ物、セックス、動き、人の顔、物語は注意を引きやすい
    048 大きな音には驚いて注目する
    049 何かに注意を向けるにはまずそれを知覚する必要がある

6章 人はどうすればヤル気になるのか
    050 目標に近づくほど「ヤル気」が出る
    051 報酬に変化があるほうが強力
    052 ドーパミンが情報探索中毒を招く
    053 人は予測ができないと探索を続ける
    054 「内的報酬」のほうが「外的報酬」よりもヤル気が出る
    055 進歩や熟達によりヤル気が出る
    056 欲しいものが我慢できるかどうかは幼少期に決まる
    057 人は本来怠惰な生き物である
    058 近道は簡単に見つかるときしかしない
    059 人の行動は「性格だ」と判断されがちである
    060 習慣は長い時間をかけ徐々に形成される
    061 競争意欲はライバルが少ないときに増す
    062 人は自律性をモチベーションにして行動する


7章 人は社会的な動物である
    063 「強い絆」を有する集団の規模の上限は150人
    064 人には生来模倣と共感の能力が備わっている
    065 「同じ釜の飯を食った仲間」の絆は強い
    066 オンラインでの交流においては社会的なルールの遵守を期待する
    067 嘘の度合いは伝達手段によって変わる
    068 話し手の脳と聞き手の脳は同期する
    069 脳は親しい人には特別な反応を示す
    070 笑いは絆を生む
    071 笑顔の真偽は動画のほうが判別しやすい


8章 人はどう感じるのか
    072 7つの基本的な感情は万国共通
    073 感情と筋肉の動きは深く結びついている
    074 データより物語のほうが説得力がある
    075 匂いは感情や記憶を呼び起こす
    076 人は思いがけないことを楽しむようプログラムされている
    077 人は忙しいほうが満足を感じる
    078 牧歌的な風景を見ると幸せな気分になる
    079 人はまず「見た目」と「感じ」で信用するか否かを決める
    080 大好きな音楽でドーパミンが放出
    081 達成が難しいことほど愛着を感じる
    082 将来の出来事に対する自分の反応を大げさに予測する傾向
    083 出来事の最中よりその前後のほうが前向き
    084 悲しみや不安を感じているときは馴染みのものがありがたい

9章 間違えない人はいない
    085 人間にノーミスはあり得ないし問題ゼロの製品も存在しない
    086 ストレスを感じているときには間違いを犯しやすい
    087 エラーはすべてが悪いとはかぎらない
    088 エラーのタイプは予測できる
    089 エラーの対処法はさまざま

10章 人はどう決断するのか
    090 無意識のレベルでの決断
    091 まず無意識が気づく
    092 人は自分の処理能力を超えた数の選択肢や情報を欲しがる
    093 選択肢が多いほうが思いどおりになっていると感じる
    094 「お金」より「時間」
    095 意思決定には気分も影響
    096 グループによる意思決定は必ずしも的確ではない
    097 人は支配的な人物に影響される
    098 確信がないときは人まかせにする
    099 他人は自分より影響を受けやすいと考える
    100 目の前にある品物のほうが高値に

訳者あとがき
参考資料
索引

目次でほとんどわかる内容だったりします。だけれども、きちんと読まないと正確な情報が伝わらないのが憎らしい。

自分がいちばん感心したのが、79 人はまず「見た目」と「感じ」で信用するか否かを決める
最初に、人は見た目で判断を決める、だけれども最終的に信頼を勝ち取るには、そのサイトの内容と信憑性によって決まるということも言及しています。

頭に入れておいて損は無い内容です。

完璧を目指すよりまず終わらせる理由、もしくは徹底的にパクる理由

Done is better than Perfect(完璧を目指すよりまず終わらせろ) : シナプス・マーケティング・カレッジ☆公式ブログ
TTPとは? – 由来と意味と、その補足。 | フェリックス・ウェイ代表・舘田 智のブログ


このふたつのことを行うべき理由はひとつです。


アイデアはどれだけ熟考しても、素晴らしいものになるとは限らない。


アイデアとは、とてもフワッとしたもので、他から影響をとても受けやすいものです。自分で画期的だと思ったアイデアでさえも、明日になれば何故あれだけ興奮したのかよくわからなくなるものです。

これは「内側から外へ」を続ける限り、いつまでもついてくる問題です。ならば完成させる前に終わらせて、外側に出してその評判を確かめたほうがいい、もしくはすでに外側で好評なものを徹底的にパクったほうが良いでわけです。

前者がマーク・ザッカーバーグの言葉なのでカッコ良さげに使われることが多いですが、実はパクる口実にしているだけの人がいるなと思ったので書いてみました。

モバイルアプリからモバイルサイトへ、またその次の時代がじわりじわり

先週のApple のiOS6のお披露目で一番気になったのは Safari の 画像ファイルアップロード対応です。


ここ最近のスマホ向けウェブアプリ開発の議論のひとつにフルネイティブ開発きついよねーっていうのがあって、


「スマホがだいぶ浸透してきたから対応しなきゃねー」
 ↓
「これからはApp StoreGoogle playにアプリリリースしないとねー」
 ↓
App Storeとか審査が厳しくてやってらんないっすよー、すぐ修正出来ないっすよー」
 ↓
Androidとか機種いっぱいありすぎて、テスト莫大でコストに見合わないっすよー」
 ↓
「Storeに出したいけれど、html5を使ってコストやリスクを抑えたいよー困ったよー」
 ↓
「間をとってアプリの中のWebViewでサイトを見るアプリにしよーぜー」


みたいなことになることがあります。


Safariで画像のアップロードが出来るようになると、ソーシャル系ウェブサービスの場合、アプリに機能を乗っけてストアに出す必要性がまたひとつ消えます。アプリを出す残りの理由としては、マーケティングとして、ストアのランキングの上位に載るのと、ノーティフィケーション、あとはネイティブアプリならば最適なUI, UXで表現さくらいです。最後のは、ハイブリッドアプリでは差異がなくなります。ジレンマです。


そんなせめぎ合っているうちに、アプリの終わりの始まりに「ジャスト・イン・タイム」という考えが紹介されています。「必要な時だけインタラクションが行われる」というものだそうです。プライバシーなどの問題が絡むものの、今後のウェブのサービスはここを目指すことになると思います。Siri や Passbook も「必要な時に必要な情報を出す」ものです。


今後のウェブサービスは、「ユーザーが、キッカケがあったときに、それが達成出来て、すぐに別の作業に移れるもの」であるべきな気がしています。ウェブサービス作る人たちは、手ぬいてんじゃねーぞーって感じですかね。