インターネットが死ぬ日
- 作者: ジョナサン・ジットレイン,井口耕二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/06/25
- メディア: 新書
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なぜインターネットが死ぬのかが気になって読んでみた。
それを説明するために、インターネットがどうしてここまで栄えてきたかの理由から書かれているため本のボリュームは大きめ。
インターネットがここまで広がった理由を、訳者あとがきをそのまま引用すると以下の2点。
- 問題の先送りの原則
- 隣人を信ぜよ型アプローチ、信頼の原則
問題を先送りすることによって、余計なブレーキがかからなかったこと。そしてユーザーを基本的に信用することによって、ユーザーを信じられないが故に対応しなければいけないはずの問題の対応を省いたおかげで、インターネットは急速に成長することができたのだと筆者は述べている。
そして成長したが故の問題によってインターネットが死ぬ可能性が出てきている。
ひとつは、権力に巻き込まれること。ふたつめは、個人のプライバシーの問題。そして3つ目が技術力がないユーザーが増えたことだ。どれもこれまでのようなインターネットの急成長を阻害する要素としている。
また、iPhoneのようなプラットフォーム媒体を「ひも付きアプライアンス」として、問題点を上げている。データをプラットフォーム側に持たされることによって、ユーザー側で、データ管理の動作が把握できなかったり、破壊的イノベーションが起きづらくなるのではないかと筆者は主張している。
これは最近の話題と見事に当てはまる。Google VoiceアプリがApp Storeを除外したことや、消えたKindle電子書籍問題ではamazonが、勝手にユーザーのKindleからコンテンツデータを削除したことは、まさにプラットフォームならではの問題だ。
この本は商業的な視点がほとんどない。そのため意見の方向性がお金儲けを考える立場の人たちと全く違う。インターネットで楽しさを考えたい人には有用、儲けたい人には無用な一冊だ。